消防行政

令和3年 署長査閲訓練を実施!!

令和3年 3月9日(火) 白河消防署にて、白河消防署 第1中隊による署長査閲訓練を実施しました。当該訓練は、前日からの局地的な大雪により木造の一般住宅が倒壊し、複数名の要救助者が発生している想定で行いました。

今回の想定は、「要救助者は3名おり、うち2名は倒れこんだ家具に出口を塞がれたために住宅内に閉じ込められた状態、もう1名は屋外にて下半身が瓦礫に挟まれており、動けない状態」でした。

 

一刻を争う状況ですが、私たちが現場活動を行う際には必ず、周囲の安全を確保してから活動します。

倒壊建物に対し、単管パイプや木材を使用し、ショアリング(さらなる倒壊を防止するために、建物に対して行う応急処置的補強のこと。)を行います。救助隊の安全が確保されたのちに、屋内進入して救出します。

 

ショアリング

 

閉所での活動は、困難を極めますが、日頃の訓練を活かし、迅速に救助していきます。

 

屋内進入

 

一方、消防隊および救急隊では、両大腿部を瓦礫に挟まれている要救助者の救出を行います。

当該傷病者は、長時間、四肢を挟まれたことによる「クラッシュ(圧挫)症候群」が強く疑われます。

 

※「クラッシュ(圧挫)症候群」とは、四肢が瓦礫や家具などの重量物による圧迫を受けたり、窮屈な肢位を強いられた状態が長時間にわたった場合、筋組織の損傷に伴って血管内に流出した物質が、救出の際に体中へ巡り、ショック状態や心停止、急性腎不全を引き起こす病態のことです。

 

こういった傷病者は、急に瓦礫による圧迫を解除した際に、心室細動等の致死性不整脈により心停止する恐れがあります。

そこで、長時間の挟まれによる脱水や心停止に備えて、静脈路確保といった特定行為やAEDの装着を事前に行います。

 

クラッシュ症候群に対する静脈路確保

 

救出後は、救急車内で処置観察を継続して、適切な医療機関へ搬送します。

実際の現場では、DrヘリやDrカーといった搬送手段も考慮します。

 

今回の訓練のような災害は、決して珍しいものではありません。一見すると問題のないような場所でも、先日の地震で地盤がもろくなり、雨が降った際に土砂崩れが起きる可能性があります。また、春先は暖かくなり、雪崩の発生する恐れが強くなっています。

そういった災害の際に、いち早く避難できるよう自宅や職場、学校等の避難経路を確認しておきましょう。

ご家庭ではライフラインの停止に備えて非常用持ち出し袋の準備をしておくことも重要になります。

すでに準備されているご家庭では、食料品の消費期限や懐中電灯などの定期的な点検が必要です。

 

東日本大震災の発生から今年で10年となります。

各ご家庭で災害について改めて話し合い、いざという時のために備えましょう。

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